関大映研のブログ

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KFC Diary

Filmmaking is our Blood

怪物ショタ

皆さんこんにちは関大映研です。

前回の投稿より2ヶ月が経ってしまったところで、1ヶ月前に読者様より「次の投稿はまだ?」とせかされていたことを思いだしました。

それじゃ、ダメじゃん

春風亭昇太です!と言いたいところですが

本日は、わたくし根尾が最近みた映画を紹介したいと思います。

しかしながら、根尾は映画研究部に所属しておりますが映画は初心者であり、難しいことは分かりません。なのであたたかい目で見守ってもらえれば幸いです。

初心者に易しく、映画の裾野を広げるようなコーナーにできればいいなと思います。

題して、「根尾の初心者映画探訪!」

 

略して「ネオショタ」(異論は認めます)

 

ということでネオショタ1回目は「怪物」です。

この映画は「万引き家族」などで有名な是枝裕和監督と「花束みたいな恋をした」などで人気の脚本家である坂元裕二さんがタッグを組んだことで注目された作品です。

 

正直、めっちゃおもしろかったです。

 

おもしろいというとPOPな印象を与えてしまうかもしれませんが真逆でした。

ある郊外の街で小学生の子供どうしのケンカが起きたことをきっかけにそのケンカの見解が当人の間で食い違い、社会をも巻き込む大事へと発展します。そして嵐の朝、子供たちは姿を消し… というお話です。

終始、かなり重い内容でした。

 

そして出来事を視聴者に説明するためのセリフはほとんど、いや全くと言っていいほど無く、最後の最後まで真相にはたどり着けないようになっていました。なので冒頭から「どういうこと?」が頭の中から消えることはありません。

 

重いし難しいこの作品のなにがおもしろいかというと、自分の中の正義感の偏りや歪みに気づかされることです。

「怪物だーれだ」このセリフの正解を見つけるまでに様々な考えや感情にさらされることになりました。

 

作品のつくりが「子供の母」「子供の担任」「子供」のそれぞれの視点に分かれており、この順で物事を繰り返し見ていくことになります。

同じ出来事なのに違う視点から見ると全く違う感情が湧き出てきます。シーンが淡々と描かれているだけなのに主体に同情してしまい、それぞれにとっての怪物が異なっていました。怪物探しの答えは見る者の判断に委ねられていましたが、どの立場も怪物でありながらも被害者なのです。

しかしながら、「みんな悪いところあったね。仲直りしよう。」とはなりません。

怪物でしかない存在に気づいたときは戦々恐々としました。

是非多くの人に怪物探しをしていただきたいなと思います。

 

そしてオチも例に漏れず重い内容なのですが、そう感じさせない表現で描かれており個人的には大好きでした。

俳優陣も実力者揃いで子役の子の演技もかなり上手で、それだけでも見てもらいたいと思うほどでした。

上映館も少なくなっている頃かと思いますが上映時間の都合が合う方は見に行かれてはいかがでしょうか。

 

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本日のお相手は根尾ショータでした。

またお会いしましょう。バイバイ!