はじめに
どうも、関西大学映画研究部3年の大矢です。
学園祭が終わり、関西学生映画祭が終わり、なんだかバタバタしていたら、いつの間にか今日で引退になっちゃいまして、今、めちゃくちゃ焦っております。笑
というわけで、折角、続けてきたブログを続けるのも本日で最後。
投稿するつもりのままで放ったらかしにしていた、2つの記事を連続で投稿したいと思います!
「映画とは何か」という問いに全力で答えるつもりで書きましたので、よろしければ、ぜひ、ご覧ください。
映画は親指だ。
みなさんは親指がない世界を想像したことがありますか?
人類にとって必要不可欠な"親指"。
その存在はあまりにも当たり前すぎて、なかったらどうなるかなんて考えた人は、ほとんどいないでしょう。
親指がなければ、シャーペンの芯を伸ばしづらくなりますし、片手でスマートフォンを使用することもままなりません。
それは映画なら尚更。
人間に敵対する存在・バッティが目潰しをしない『ブレードランナー』、サムズアップが登場しない『ターミネーター2』。
親指がなければ、多くの傑作は生まれていなかったでしょう。
しかし、『スター・ウォーズ』を見た後、ある男は思いました。
「この映画には親指が足りない。」
そう、彼こそ、親指シリーズの監督スティーブ・オーデカークでした。
スティーブ・オーデカークとは
スティーブ・オーデカークとはアメリカのコメディ映画監督。長編デビュー作はジム・キャリーが主演を務めた『ジム・キャリーのエースにおまかせ/エース・ベンチュラ2』で、『パッチ・アダムス』『ブルース・オールマイティ』など、トム・シャドヤック監督がメガホンをとった名作コメディ映画には脚本という形で確かな手腕を発揮しました。
そんな彼は、デジタル技術の発達した1999年に親指シリーズ第一作『親指ウォーズ(別題:親指スター・ウォーズ)』を発表。それ以降、2002年に至るまで全6本の親指映画を製作しました。アメリカではTV映画として放送された本作ですが、日本では『親指ウォーズ』と次作『親指タイタニック』が同時上映となり、まさかの劇場公開となりました。
親指シリーズとは
「そもそも、親指シリーズってなんだよっ!」と思っている方もいるでしょう。そんな方のために説明しておきますと、本シリーズは数々の名作を親指で作られたキャラクターたちで再現したパロディ作品。1作品約30~40という尺にも関わらず、作品の名シーンは見事に抑えているというのがなかなか秀逸。作品自体はしょーもないギャグの応酬なのですが、元ネタの悲劇的な展開をちゃっかり修正していたり、予想外の要素を入れていたりと、監督自身の描きたいものがはっきりとしており、おバカ映画に見えて、実は「コメディ映画」の本質を考えさせてくれる愛すべき作品群でもあります。(ちなみに、海外ではこれらの作品の総称を「Thumbs!」と呼んでいるそうです。)
各作品紹介
『親指ウォーズ』(別題:『親指スター・ウォーズ』)
1999年に作られたシリーズ第1作。時代を感じる雑なCGにツッコミたくなりつつも、予想以上に忠実な展開など、監督の映画愛を感じる作品。衝撃の発言をするヨーダ"らしき"登場人物、ダースベイダー改めダークベイダーと名乗るボスキャラの意外過ぎる正体、思いっきり人間のアゴである偽ジャバ・ザ・ハットなどなど、ビジュアルのインパクトが素晴らしい一作。メイキングが本編に匹敵する面白さという点では、関大映研の過去作『MANDY』にも通ずる部分がある。ちなみに映研2年の小松くんは本家のSWを観る前から、本作を観て育ったらしい。
『親指タイタニック』
前作と同年に作られた第2作。『タイタニック』という195分の名作大長編を7分の1程度の26分までにまとめるという暴挙。運命の愛を描いた『タイタニック』の本質を、元ネタにもある車内のシーンで表現している部分が秀逸。前作の1シーンが流用されている点、相変わらず雑なCGなど低予算であることは明らかだが、誰も予想できないクライマックスや単なる悲劇では終わらないラスト、そして、名曲『私の心は親指』など監督のやりたい放題な演出が、もはや清々しい一作。
『親指ゴッドファーザー』
2001年制作。これまた177分の元ネタを31分にまで凝縮したシリーズ第3作。本作からオーデカークは製作総指揮にまわり、これ以降の監督はデビット・ボウラに変更となった。本家でも印象的な馬の頭のシーンをしつこいほど繰り返すなどボケが迷走していたり、物語のゴールが決まっておらず、観ている側も迷子になりかけるというかなりの問題作。シリーズの他作品と違い、唯一、オーデカークが脚本に関わっていないため、脚本に多少の歪(ひずみ)を感じなくもない。
『親指バットサム』
同じく2001年制作。名作ヒーロー映画に挑んだシリーズ第4弾。最初こそティム・バートン版『バットマン』のパロディがなぞられるものの、実際はTV版へのオマージュが強いという意外性。シリーズの根幹を揺るがす悪役の登場もあり、他作品に比べるとかなり異色な"親指バットエンディング"を迎える。
『親指フランケン』
同年に制作された第5弾。作品選びに本気を出してきたのか、下手をすれば元ネタより面白いかもしれない1作。"親指シネマティックユニバース"とも言える終盤の激アツ展開が最高で、鑑賞後の後味は余裕で本家を超えている。
『親指ブレアサム』
同年に制作。実質上、親指シリーズの最後の作品となった第6作。シリーズでは、初の"POV”(視点ショット)に挑戦している。僕自身、本家があまりハマらなかったため、むしろ、本作のほうが好きだったりもする。なんだかハッピーなラストシーンに、つい、ほっこりする作品。
おわりに
ここまで親指シリーズ全6作品を紹介してきました。
しかし、今年の7月始め、ふと、これらのDVDに記録されていた親指シリーズの公式サイトを検索してみると、衝撃の動向が...。
『親指ウォーズ』『親指タイタニック』の親指シリーズ公式サイトをふと開いたら、今年の12月1日に向けてカウントダウンが動き始めていたんですが、本当に何が起こるのか分からない...。
— tetsu (@tetsulikemovies) 2019年7月3日
ただ、確かなのは今年一番テンションが上がったということです。https://t.co/1XvLc10LX5 pic.twitter.com/bYa8FrM0yb
まさかの12/1に最新作の発表か??
そして、その数か月後、ついに...。
Thumbthing is HERE!https://t.co/ZAfMX6cq8m
— Steve Oedekerk (@oedeworld) 2019年10月2日
まさかの予告編が解禁!!
どうやら、実際に制作は進んでいたようで、新作の公開が確かなことが明らかになりました!!
そして、訪れた12/1、公式サイトを訪れると、ついに...。
ぜひ、その真実は以下の公式サイトから、ご確認ください。
って、結局、本編解禁せんのかーい!
しかし、僕たちは、まだ諦めていません。
いつか、エピソードⅨが解禁される日を信じて。
フォースと共にあらんことを。
(というか、頼むから、オーデカーク監督、年内には配信してくれよ...。泣)