はじめに
どうも、こんにちは。
映画研究部3年の大矢です。
長い休止期間を経て、何とか三日坊主は免れることができました。(←もうちょっとで二日坊主になるところだったけどね。笑)
というわけで、今回もはりきって行きましょう‼
今回の作品
『風と共に去りぬ』
監督:ヴィクター・フレミング
あらすじ
舞台は奴隷制が残る1860年代のアメリカ南部・ジョージア州。
上流階級の女性”スカーレット・オハラ”の運命的な恋模様と、
戦争に翻弄される彼女の波乱万丈な十数年間を描く一大巨編。
みどころ
本作は何と二部構成による4時間弱という長尺映画!
しかし、魅力的なキャラクター、テンポの良い物語、美しい映像で全く長さを感じないのがスゴイ。
とりわけ注目すべきなのは、その映像美!
今でも色あせない大自然の風景や、豪華な町のセットはとにかく圧巻です。
ちなみに、第一部の後半で登場するアトランタ市のシーンはほとんどがセットだそうで、火事のシーンも実際に燃やして撮影したのだとか。(ハリウッド映画恐るべし...。)
また、クライマックスに至るまで意外な展開が続く物語のおかげで、全く飽きないどころか、第一部が終了した瞬間、第二部が観たくなる作品でした。
解説
そして、特に印象的だったのは、首尾一貫している「エゴイスティックなヒロイン像」
自分勝手でわがままな主人公が描写されるOPを観て、「ヒロインが4時間をかけて成長していく物語なのかな~」と思っていると、不思議なことに1時間、2時間と物語が展開しても全く彼女のスタンスが変わらない。笑
今の映画だったら、自己中心的な主人公が少しずつ変わることで成長していくという物語を描きがちなんですが本作は展開が逆。周りに惑わされず、最後の最後まで自分を貫く主人公は新鮮で、むしろ「深いなぁ~」とさえ思ってしまいます。
突き詰めれば、人間の本質って「エゴ」であることは間違いないわけです。
この世で生きていくためには時に他者を蹴落としてでも、自分を守らなければならないことがあるかもしれませんし、生存本能として自分が好きでなければ、1時間とこの世界で生き残ることは不可能でしょう。
そんな人間の、一見、醜悪で目を背けたい部分を全肯定してしまうようなヒロインの姿には、綺麗事で終わらない説得力と、誰しもが持つ「エゴイスティックな面」を救ってくれるような気持ちさえ抱きました。
『ブラック・クランズマン』での本作
また、本作はスパイク・リー監督の最新作『ブラック・クランズマン』のオープニングでも使用されており、記憶に新しい人もいるのではないでしょうか。
しかし、その理由は本作に「黒人差別を肯定しているような描写」があったから。
『ブラック・クランズマン』は、これまで黒人問題を描いてきた監督が、白人至上主義団体「KKK(クー・クラックス・クラン)」に潜入した実在の黒人警官を主役にした作品であり、劇中には、これまでの古典映画に対する鋭い批判が盛り込まれています。
確かに、本作における黒人の扱いの描写は、今見ればかなり違和感を感じるものと言えます。
あくまで「白人主体」として作られた本作は、黒人を奴隷として扱っている描写が随所に挟まれていますし、それに関して否定するような描かれ方もしていない。
本作の良いところとして、先ほどヒロイン・オハラが「エゴイスティック」な姿勢を貫いていることと書きましたが、一方で本作における作り手の「傲慢さ」が、現代の視点では批判的な捉え方をされているというのは、なんとも皮肉な部分ですね。
今回の小道具
本編鑑賞直後から、無性に赤土に登場する赤土が欲しくなったものの、中々売っておらず、ダイソーで買った二つの香辛料を混ぜて作りました。自己満足の極みです。余談ですが第4回目にして、初めて公式アカウントにリツイートされたのが、そこそこ嬉しかったです。(笑)
『風と共に去りぬ』観ました。
— tetsu (@tetsulikemovies) May 18, 2019
傲慢でエゴイスティックなヒロインが4時間以上の尺を経て、全く変わりませんでした。スゴい。傑作。 pic.twitter.com/rI1bDSf9IW
おわりに
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
やっとのことで、第4回。笑
ここが一番、気を抜きやすいタイミングなので、これからも投稿できるよう踏ん張っていきたいと思います。どうぞ、次回もお楽しみに~!