はじめに
どうも、お久しぶりです。2年の大矢です。
1月の定期テストで力を使い果たし、肉体的にも精神的にも宙に浮かんでいたものの、『メリー・ポピンズ』の最新作が公開されると聞き、空から傘を持って降りてきました。
まぁ冗談はさておき、今回は2月1日から公開された『メリー・ポピンズ リターンズ』の感想を書こうと思います。
どうぞ最後までお付き合いください。
『メリーポピンズ リターンズ』とは
まずは念のために本作の概要からご紹介。
本作は55年前に公開された『メリー・ポピンズ』の待望の続編で、魔法の使える家政婦・メリーポピンズの活躍を描いたファンタジーミュージカル。
前作から20年後が舞台となった本作では、再びバンクス家にやって来たメリーポピンズが、大人になった前作の子供たち(=バンクス兄妹)が育てる新たな三人の子供を教育することになります。
今作の監督はロブ・マーシャルさん。『シカゴ』『NINE』などのミュージカル映画でも定評のある方で実際に本場の舞台では振付師を担当。実はディズニー作品を手掛けるのは今作で4作目*で、不朽の名作の続編として彼が選ばれたのも確かに納得です。
*テレビ映画『アニー』も含める。ディズニーのミュージカル作品では通算3作目。
現代に蘇った「メリー・ポピンズ」の変化
とはいえ、前作から55年も経った本作。様々な変化があるのも本作の魅力。
というわけで早速、前作との違いについて語っていこうと思います。
変化その①「キャスト」
長い年月が経ちましたので、もちろんのことながらキャストは変わりました。主要キャラクターは総入れ替え。メリー・ポピンズ役を演じていたジュリー・アンドリュースさんもエミリーブラントさんへと変更されました。(ちなみに、前作でメリー・ポピンズの相棒役としてディック・ヴァン・ダイクさんが演じたバートは今作には登場せず、代わりにリン=マニュエル・ミランダさんのジャックがその役割を引き継いでいます。)
実は本作、もともとジュリー・アンドリュースさんのカメオ出演が企画されていたそうなのですが、彼女がエミリーブラントさんの役を食わないように配慮した結果、断念されたのだとか。少し残念に思う方もいるかもしれませんが、実際に観てみると、その気持ちを上回るほどの好演となっています。
とはいえ、それ以外のキャストのカメオ出演に関しては...、これ以上言うとネタバレになってしまいそうなので言えませんが、意外な登場人物のサプライズはぜひ劇場でお確かめください。
変化その②「キャラクターの新たな設定」
続編となり、キャラクターに新たな設定が追加されるのは当たり前ですが、前作を反復するように絶妙に変わっている点にも注目。
例えば前作では子供だったバンクス兄妹が親世代になっている点。
前作と逆の立場になった彼らは最初こそ、前作で両親が抱えていたジレンマ「子供との楽しい時間を大切にすること」を実現しているように見えますが、物語が進むにつれ、両親と同じ苦悩を味わうことになります。
また、彼らの育てる子供たちにも注目。前作では「幼くて暴れん坊」という描写だった子供たちも「ませていて大人しい」描写へと変化。今作は「子供たちが子供らしさを取り戻していく」物語でもあるのですが、それは彼らに限らず、「子供の心を取り戻す事の大切さ」という本作のテーマとも見事にマッチしていました。
また、バンクス兄妹の妹・ジェーンの設定もポイント。
前作では一家の母親が女性参政権運動に参加しているという設定がありましたが、今作では娘のジェーンが労働組合の活動に参加しているという設定に...。社会的背景に影響されたこれらの設定は、ジェンダーに関する関心が高い今でこそ、より評価される点かもしれません。
前作とそっくりなこんなシーンも...。しかし、最新作には不意にモーターバイクが飛び出します。(笑)
そして何と言っても注目して欲しいのは「メリー・ポピンズの登場シーン」
ここでは前作と違い傘ではなく「あるもの」を持って彼女が現れるのですが、その「あるもの」がすごい。前作の名曲にもつながる「それ」が起点となり始まった物語が、どんな「解決策」を経て収束するのか。そして、本作の持つテーマ「子供の心を取り戻す事の大切さ」と「あるもの」がどのようにつながるのか。ぜひ、一作目のラストを思い出しながら、このシーンは観ていただきたいですね。
変化その③「アニメと実写の融合」
そして、やはり『メリー・ポピンズ』の見どころはアニメと実写の融合でしょう。
ディズニーの2Dアニメーションといえば、『プリンセスと魔法のキス』以来10年近く見ることがなかったように思いますが、今回も素晴らしい作画で本当に驚くばかり。それもそのはず、今回のアニメーションは、退職したかつてのアニメーターも含めた70人以上の力を結集して作られたそう。
アニメの様な衣装を着た実写と、かつての2Dアニメを再現しつつ、よりはっきりきれいに美しくなったアニメーションの融合は、その分野における現在の最高峰であり、最終到達点と言える出来だったのではないでしょうか。
おわりに
というわけで、ここまで語ってきた今回の『メリー・ポピンズ リターンズ』の魅力。
しかし、正直なところ、観ないと分からないので是非、観てください。(切実だけど、今まで書いてきた文章の意味。笑)
特に「『メリー・ポピンズ』なんて子供とか女性が観るものだし、全然興味ねぇし。」と思ってる男性諸君!絶対観るんだぞ!
これ、最後まで読んだ君とウォルトディズニーとの約束だからな。『ウォルト・ディズニーの約束』だからな!
以上