関大映研のブログ

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KFC Diary

Filmmaking is our Blood

#春から関大映研が合宿した話2019

映画研究部とは何か...?

 

どうも、お久しぶりです。関大映研2年の大矢です。

はじめましての皆様は、はじめまして。(笑)

ついに新学期到来!

新たに大学生としてスタートを始め、部活選びや学生生活に悩んでいる新入生も、たくさんいるのではないでしょうか?

映画研究部では、今年の新入生歓迎行事で予想以上の方々に集まっていただき、てんやわんやの日々が続いていますが、まだまだ新入部員を募集中!

というわけで、今回は「映画研究部の活動内容が知りたい!」というあなたのために、

今年の春合宿の様子をご紹介。

少し遅くなりましたが、ぜひとも部活選びの参考にしていただければなぁと思います!

(決して、新学期に不安だらけの筆者が気を紛らわすために書いてるわけじゃないですよ...。泣)

 

春合宿はじまり~♪

 

というわけで、スタートは「新大阪駅」から。

合宿スタートじゃぁぁぁああああ!!

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新大阪駅より。

 というわけで、めんどくさいので、色々割愛しまして、

着いたぞ!広島 (省略がかなり雑ですが、お許しください。笑)

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広島駅より。

 

 

合宿1日目”宮島”

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JR広島駅より

というわけで、「広島」と言えば厳島神社厳島神社と言えば「宮島」ということで、早速「JR広島」に乗り換え、宮島へと繋がるフェリー乗り場に向かうことになりました。

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フェリー乗り場の様子

いざ、出発!と思いきや、次のフェリーが来るまで少し時間があるとのこと...。

そんな中、船の名前を見てみると...、

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宮島行きフェリーの名前

「丸まじやみ」にしか読めない...。前途多難ですね、これは。

 

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遠くに見える厳島神社

こちらは、フェリーからの一枚。

海上から見る厳島神社の鳥居もやはりキレイです!!

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宮島を指さす部員

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だいぶ、近づいてきた。

そして、いよいよ到着です!!

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宮島駅にて。

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背後のカメラマンに気づいてしまった部員・小松

部員もはしゃいでいました(滲み出る週刊誌感。笑)

 

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そのまなざしに何を見る。

どうやら、鹿さんもお出迎えのようです。

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「やっぱり、ええわ...。」

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部員もこの表情。

って、癒されすぎだろっ。笑

 

 というわけで、一行は早速。

厳島神社に向かうことに...。

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Road to 厳島神社

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厳島神社の外観

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長い廊下

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歩いているだけなのに絵になる空間

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厳島神社でも部員ははしゃいでいました。

 

お昼ごはんは、「いな忠」さんのあなご飯!

いや~、うまかったですね~!本当にうまかった!

(正直、合宿から数日が立ってしまい、具体的においしさを表す言葉が見つかりませんでした。やっぱ、はやく書かなきゃダメだな、こりゃ。笑)

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昼ごはんのうな重

tabelog.com

 

というわけで、ちょっと休憩

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厳島神社付近でみつけた鹿

 

 

そんなこんなで、一日目の宿は宮島のホテルみや離宮さんでした!

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正面玄関

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ロビーにも鳥居が...。

予想以上に広々とした空間に嬉しい驚き!

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室内の様子

そして、そして、晩御飯がまたまた豪華!

カキフライ」「カキ鍋」「カキの炊き込みご飯」などなど、カキ尽くしのフルコースのおかげで十二分に広島を堪能することができました。(余談ですが、ココの仲居さんはかなり気さくで会話を聞いて話しかけてきてくれたり、親近感が湧く面白い人でした!)

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夕食会場

この後、部員の数人は部屋に戻って、筆者の激推し映画『キス我慢選手権THE MOVIE』を鑑賞。いつの間にか観ているのは自分だけになっていましたが、そのあとに観始めた『フルメタル・ジャケット』は、みんな目を食い入るように観ていました。笑
うん、なんか、やっと映画研究部の合宿っぽくなってきました。笑


合宿2日目”呉”

時間が過ぎるのは早いもので、いつの間にやら2日目に突入‼

それにしても、合宿といえば朝食バイキングですよね???

前回の合宿でも、かなり食べたのですが、今回もついガッツリ食っちゃいましたね~。

いや~、それがほんとにおいしくてですね~、なんといっても...、あ、前回同様、また食べログになるところだった。割愛します。

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朝ごはん(一巡目)

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朝ごはん(二巡目)

筆者が二巡目を食べ始めると、他の部員は待ち切れず、そそくさと部屋に戻っていきました...。笑 

 

というわけで、2日目の舞台は


折角、映画のロケ地が多いなので、こんなところにも行きました‼

こんなポスターも発見!

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孤狼の血』のパロディ観光ポスター

 

そして、映画研究部ということで地元の映画館「呉ポポロシアター」にも立ち寄りました。

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呉ポポロシアターのロビーにて。

ぜひ、公式サイトも覗いてみてください。最近開設したというHPには、どことなく風情を感じます。笑

popolo1.blog107.fc2.com

 

そして、お昼ごはんは「カレーのマスター」コラボカレー。

店舗の「オリジナルカレー」と「呉海自カレー」がいっぺんに味わえるだけでなく、ご飯も「白飯」と「五穀米」が食べられるという豪華仕様。それぞれ2種類の味を楽しめてたったの900円という価格設定には驚きました!!

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「カレーのマスター」のカレー

ちなみに、このお店「カレーのマスター」のマスター(←そろそろややこしくなってきた。笑)によると、呉ではさまざまな店舗でカレーを売っていて、そこでもらえるシールを集めるシールラリーが行われているのだとか。現在は全店舗制覇でもらえる非売品が1種類になっていますが、この当時は3種類ある鬼畜バージョンで、それでもコンプリートする広島県民がいることを聞き、恐れおののきましたね...。

 で、そのあとに向かったのが、大和ミュージアム

写真はいっぱい撮ったのですが、どれがネットに挙げていい写真か分からなかったので、渾身の1枚と公式サイトのリンクを貼っておきます。

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直立する謎の銅像

いや、ほぼアクアマンじゃねぇか!笑

(実際は、ネプチューン像のようです。)

yamato-museum.com


というわけで、疲れたのでもう一度休憩。

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死体のように眠る1年生・小松

 

と、これで2日目が終わるのかと思いきや何やら、怪しい動きが...。

 

その場のノリで一本動画を作っちゃいました。

ヒッチコック監督、作品を汚してマジですいません...。笑

 

 


見よ!この謎の達成感‼笑

合宿3日目”広島”

はい、なんやかんやで最終日です。

果たして、最後はどこへ行ったのか、一応原爆ドームに行ったのですが、これは実際に行ってみないと伝わらないことばかりなので、あえて割愛。

興味のある方は、ぜひ、その目で確かめに行ってください。

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原爆ドームにて。


と、それで終わってしまうのも少し寂しいですし、せっかくなので、この合宿3日間で筆者が学んだ最も大事なことをお伝えして終わりたいと思います。

 

それは、

仲間の大切さや、

かけがえのない時間、

いつもは感じられない体験。

 

ではなく、

 

 

 

 

もみじ饅頭のレパートリーの多さでした。

 

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こんなにあるよ、もみじ饅頭。

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帰りの新幹線で食べたもみじ饅頭の数々。

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お土産やで入手したもみじ饅頭。

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揚げもみじ饅頭にテンションが上がる筆者。

あ、なんかつまらないオチになってしまい、すいません...。

まぁ、とにかく、もみじ饅頭はホントにおいしいので、広島に行った際はぜひ、色んな種類を食べてくださいね。

終わりに

はてさて、何となく、映画研究部の活動がお分かりになりましたか?

まぁ、とりあえず、大学は色々な選択肢や可能性が無限に広がっている場所です。

新入生の皆さんは不安があるかもしれませんが、焦りすぎず、周りに惑わされず、自分がやってみたいことにどんどんチャレンジしてみてくださいね。

余談ですが、僕はこの部活に入って、映画を一緒に観てくれたり、一緒に作ってくれるという以上に、他愛もない会話で安心できる大切な存在ができてよかったです。

まぁまぁ、少しでも興味があったら、ぜひ、部室のドアを叩きに来てくださいね。(あ、でも、恥ずかしかったらLINE@かtwitterのDMでも全然大丈夫ですけど...。)

 

じゃあ、長文を書くのが疲れたので寝ます。おやすみなさい。zZZZ
 

 

 

 

 

新入生の皆さんへ【2019新歓】

みなさんこんにちは。部長の清武です。

 

3月も早いものでもう終わり。そういえば新元号の発表もそろそろですね。ついに桜も咲き始め、いよいよ春だなあという感じです。私は、お日様の光が暖かくて、空気が優しい大阪の春が大好きです。

 

春と言えば出会いと別れの季節ですね。春から関大生の皆さん、入学準備は万端でしょうか?

 

我々関大映研も、新歓に向けて準備中です。今日は、新歓に対して思っていることを2つ書こうと思います。映研に入りたいと思ってくださっている皆さん、ちょっと迷っている皆さん、そして、まったく興味のない皆さんも是非お読みください。

 

まず1つめ。映研はどんな人でも大歓迎!

映画は、いろんな要素が集まって完成する総合芸術。歴史の要素があれば宗教の要素もあり、本が原作になっていたりもするし、音楽メインの作品もあるし、衣装やメイクなんかも必要。いろんな分野を得意とする人が集まって、やっと一本の映画が完成します。映画を扱う部である映画研究部も、それと一緒。映画好きはもちろん、漫画や本が好きな人、写真が好きな人、服やヘアメイクに興味がある人…どんな人でも映研には必要だし、好きなことを生かして活躍することが出来ます。という感じの事を、(ご本人は憶えてるかわかりませんが)私が1回の時の部長さんがおっしゃってて、めちゃくちゃ感動したのをはっきりと覚えています。そう、だから、映研にはいろんな人に入ってほしい!怖がらずに入部してみてほしい!「映画詳しくないけど…」と思う必要はありません。「脚本なんて書けない…」というそこのあなた、私もです。何かやってみたい!活動したい!という熱い想いと行動力さえあれば、映研では大歓迎です。

 

んで、次2つめ。大学の部活動って結局何だろう?

もちろんですが、大学の部活動は、技術を磨いて高めることが目標です。が、それはあくまで手段にすぎず、最終的には仲間作りが目的なんじゃないか、と個人的には思っています。前述した内容とやや矛盾しますが、なんだかんだ映研って映画好きが多いわけで。だから、初対面でも話題に困らない。また、映画大好きじゃなくても、何かしら映画への興味を持っている人や、好きな映画がある人が多く集まる部なので、「最近何見たのー?」みたいな話ができる。そういうところから仲良くなって、一緒に映画作って更に仲良くなって…と、関係を築くことが出来ると思っています。実際、東北出身の私は、大学入学当初は大学にはおろか、大阪府内にも親しい友達がいない状態でした。それでも大学を辞めずに楽しく過ごせたのは、同回生をはじめとした映研の仲間に恵まれたからだと思っています。という感じで、新入生の皆さんにも、映画をきっかけや手段として、映研で良い人間関係を築いてもらえたらな、と思っています。一人でドアを叩くのには少々勇気が要ると思いますが、ちょっと頑張って、見学やイベントに来てみてくださいね。

 

ということで!今日はここまで!

結局何が言いたいかっていうと、とりあえず新入生の皆さんの入部お待ちしています!

現代に蘇った「メリー・ポピンズ」の変化 <『メリー・ポピンズ リターンズ』研究報告>

はじめに

どうも、お久しぶりです。2年の大矢です。

1月の定期テストで力を使い果たし、肉体的にも精神的にも宙に浮かんでいたものの、『メリー・ポピンズ』の最新作が公開されると聞き、空から傘を持って降りてきました。

まぁ冗談はさておき、今回は2月1日から公開された『メリー・ポピンズ リターンズ』の感想を書こうと思います。

どうぞ最後までお付き合いください。

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出典:https://filmarks.com/movies/68424

 

『メリーポピンズ リターンズ』とは

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出典:https://www.imdb.com/title/tt0058331/mediaviewer/rm3931993088

 

まずは念のために本作の概要からご紹介。

本作は55年前に公開された『メリー・ポピンズ』の待望の続編で、魔法の使える家政婦・メリーポピンズの活躍を描いたファンタジーミュージカル

前作から20年後が舞台となった本作では、再びバンクス家にやって来たメリーポピンズが、大人になった前作の子供たち(=バンクス兄妹)が育てる新たな三人の子供を教育することになります。

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出典:https://www.imdb.com/title/tt5028340/mediaviewer/rm1993831680

今作の監督はロブ・マーシャルさん。『シカゴ』『NINE』などのミュージカル映画でも定評のある方で実際に本場の舞台では振付師を担当。実はディズニー作品を手掛けるのは今作で4作目*で、不朽の名作の続編として彼が選ばれたのも確かに納得です。

*テレビ映画『アニー』も含める。ディズニーのミュージカル作品では通算3作目。

 

現代に蘇った「メリー・ポピンズ」の変化

とはいえ、前作から55年も経った本作。様々な変化があるのも本作の魅力。

というわけで早速、前作との違いについて語っていこうと思います。

変化その①「キャスト」

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出典:https://www.imdb.com/title/tt0058331/mediaviewer/rm1107819264

長い年月が経ちましたので、もちろんのことながらキャストは変わりました。主要キャラクターは総入れ替え。メリー・ポピンズ役を演じていたジュリー・アンドリュースさんもエミリーブラントさんへと変更されました。(ちなみに、前作でメリー・ポピンズの相棒役としてディック・ヴァン・ダイクさんが演じたバートは今作には登場せず、代わりにリン=マニュエル・ミランダさんのジャックがその役割を引き継いでいます。)

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出典:https://www.imdb.com/title/tt5028340/mediaviewer/rm984443392

実は本作、もともとジュリー・アンドリュースさんのカメオ出演が企画されていたそうなのですが、彼女がエミリーブラントさんの役を食わないように配慮した結果、断念されたのだとか。少し残念に思う方もいるかもしれませんが、実際に観てみると、その気持ちを上回るほどの好演となっています。

とはいえ、それ以外のキャストのカメオ出演に関しては...、これ以上言うとネタバレになってしまいそうなので言えませんが、意外な登場人物のサプライズはぜひ劇場でお確かめください。

 

 変化その②「キャラクターの新たな設定」

続編となり、キャラクターに新たな設定が追加されるのは当たり前ですが、前作を反復するように絶妙に変わっている点にも注目。

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出典:https://www.imdb.com/title/tt5028340/mediaviewer/rm2195158272

例えば前作では子供だったバンクス兄妹が親世代になっている点

前作と逆の立場になった彼らは最初こそ、前作で両親が抱えていたジレンマ「子供との楽しい時間を大切にすること」を実現しているように見えますが、物語が進むにつれ、両親と同じ苦悩を味わうことになります。

また、彼らの育てる子供たちにも注目。前作では「幼くて暴れん坊」という描写だった子供たちも「ませていて大人しい」描写へと変化。今作は「子供たちが子供らしさを取り戻していく」物語でもあるのですが、それは彼らに限らず、「子供の心を取り戻す事の大切さ」という本作のテーマとも見事にマッチしていました。

 

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出典:https://www.imdb.com/title/tt5028340/mediaviewer/rm2430039296

また、バンクス兄妹の妹・ジェーンの設定もポイント

前作では一家の母親が女性参政権運動に参加しているという設定がありましたが、今作では娘のジェーンが労働組合の活動に参加しているという設定に...。社会的背景に影響されたこれらの設定は、ジェンダーに関する関心が高い今でこそ、より評価される点かもしれません

 

前作とそっくりなこんなシーンも...。しかし、最新作には不意にモーターバイクが飛び出します。(笑)

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出典:https://www.imdb.com/title/tt0058331/mediaviewer/rm2142732544

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出典:https://www.imdb.com/title/tt5028340/mediaviewer/rm2245489920

そして何と言っても注目して欲しいのはメリー・ポピンズの登場シーン」

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出典:https://www.imdb.com/title/tt0058331/mediaviewer/rm1309145856

ここでは前作と違い傘ではなく「あるもの」を持って彼女が現れるのですが、その「あるもの」がすごい。前作の名曲にもつながる「それ」が起点となり始まった物語が、どんな「解決策」を経て収束するのか。そして、本作の持つテーマ「子供の心を取り戻す事の大切さ」と「あるもの」がどのようにつながるのか。ぜひ、一作目のラストを思い出しながら、このシーンは観ていただきたいですね。

 

 変化その③「アニメと実写の融合」

そして、やはりメリー・ポピンズ』の見どころはアニメと実写の融合でしょう。

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出典:https://www.imdb.com/title/tt5028340/mediaviewer/rm2270392320

ディズニーの2Dアニメーションといえば、『プリンセスと魔法のキス』以来10年近く見ることがなかったように思いますが、今回も素晴らしい作画で本当に驚くばかり。それもそのはず、今回のアニメーションは、退職したかつてのアニメーターも含めた70人以上の力を結集して作られたそう。

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出典:https://www.imdb.com/title/tt5028340/mediaviewer/rm2279044352

アニメの様な衣装を着た実写と、かつての2Dアニメを再現しつつ、よりはっきりきれいに美しくなったアニメーションの融合は、その分野における現在の最高峰であり、最終到達点と言える出来だったのではないでしょうか。

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出典:https://www.imdb.com/title/tt0058331/mediaviewer/rm1891074304

 

おわりに

というわけで、ここまで語ってきた今回の『メリー・ポピンズ リターンズ』の魅力。

しかし、正直なところ、観ないと分からないので是非、観てください。(切実だけど、今まで書いてきた文章の意味。笑)

特に「『メリー・ポピンズ』なんて子供とか女性が観るものだし、全然興味ねぇし。」と思ってる男性諸君!絶対観るんだぞ!

これ、最後まで読んだ君とウォルトディズニーとの約束だからな。『ウォルト・ディズニーの約束』だからな!

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https://eiga.com/movie/77784/photo/

 

以上

 

『サスペリア』(2019)みたよっ!

お久しぶりです。映画研究部の山中です。

ついに公開されましたよ!ルカ版『サスペリア』!もうこれね、去年の夏休み前くらいにティザー画像がでたときからね楽しみにしてたんです。その画像がこれなんですが、もうたまらん…

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出典:https://img.dmenumedia.jp/movie/wp-content/uploads/2019/01/suspiria_sub2.jpg

赤い紐で緊縛されたお嬢たちが、暗闇の中で異様なポージングでたたずむこのエロ・ミステリアス・シュールな画像に脳天をブチ抜かれて一目惚れしたんです。それでこれを見た時から『サスペリア』を見るために生きてきました。

それで私はもう二回見たんですが、ほんとに凄まじいよこの映画!エログロなヴィジュアルもさることながらストーリーも作りこまれてて、山中ランキングでは『マンディ』同様、殿堂入りを果たしました!おめでとう!

ということで、今回は『サスペリア』(2019)を紹介していきます!

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出典:https://news.walkerplus.com/article/172806/1016594_615.jpg

ふたつの『サスペリア

おいっ、「ふたつの」ってことは、この作品オリジナルじゃねーのか?と疑問に思った皆さん、そうなんです。これはダリオ・アルジェントというオッちゃんが1977年に撮ったサスペリアのリメイク作品なんです。で、誰がリメイクしたのかってゆうと、キヨ様が去年のベストに挙げていた君の名前で僕を呼んでルカ・グァダニーノ監督です。『君僕』は私もベスト1に挙げさせてもらいましたが、『サスペリア』でもやってくれましたよ。もうルカさん大好き。

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出典:http://3.bp.blogspot.com/-UfUbgBnAmEo/US5bLt10EFI/AAAAAAAAPcs/EaKhWGphgQ0/s1600/suspiria_poster_09.jpg

ダリオ版『サスペリア

当時のイタリアではスプラッター映画ブームが巻き起こっていて、イタリア産のグロ映画を「ジャッロ」と呼ぶんですが、そのジャンルの中でもダリオ・アルジェントは結構評価の高い人で、サスペリア』は彼の代表作となっています。

ダリオ版『サスペリア』は、ドイツのバレエ学校に潜む魔女を描いたイタリア産のホラー映画で、激しい原色を用いたライティング残酷なスプラッター描写が評判を呼びました。あと、主人公におメメパッチリ美少女のジェシカ・ハーパーが抜擢され、当時の中学生は怖いもの見たさと美女見たさで映画館に駆け込んだらしいです。

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そして、ロックバンド「Goblin」が手掛けたBGMも話題になりました。サスペリア』以前のホラー映画って弦楽器の金切り音とかクラシック系のBGMしかなかったんですが、ロックと民族楽器を融合させた奇抜な音楽を使って高い評価を受けました。一番有名なのが『witch』という音楽なんですが聴いてみてください!こわ気持ち悪いですよ。


Goblin - Witch

ダリオ版 vs ルカぺリア

めちゃくちゃ評価の高いダリオ版をリメイクするということで、どうなることやらと映画ファンたちは期待と不安を胸にこの作品を心待ちにしていたようですが、評価は真っ二つに割れました。というのも『ルカぺリア』はダリオ版とは物語構成、演出面共に全く別物になっちゃてるんですね。それでオリジナルファンやホラー映画ファンの中に激怒する人が出てきちゃったんです。ちなみに、ダリオさん本人も『ルカぺリア』はアカン!と激おこのようです…
www.moviecollection.jp

『ルカぺリア』は、オリジナルの土台に政治的要素を絡めた非常に複雑で難解な物語構成で、それに合わせるためにライティングや音楽などの演出面も全く別物になってます。150分超えの長尺もあり、簡単なストーリーでグロ描写をパパっと楽しむというホラー映画のジャンルそのものをぶち壊しにかかってるんですよ。そりゃ、ブチ切れる人も当然いますよ。

ただ、評価の高いオリジナル版をただ真似して金儲けを企む作品が多くある中で、オリジナルの簡略な物語と恐怖演出のすべてに意味を与え、自身の解釈として新しいものを作り上げたルカさんは凄いことを成し遂げたといえます。

サスペリア』:三つのテーマ

ルカ版は政治的要素が絡んで難解と言いましたが、これだけ押さえとけば大体わかるという三つのテーマを紹介します!

1.1977年のベルリン

ルカぺリアの舞台となるのが、ダリオ版が公開された年でもある1977年のベルリンです。当時のベルリンは冷戦下にあり、「壁」によって西と東に分断されており、魔女たちが潜むダンス学校は「壁」の目の前にあります。政治もナチス時代の残党が仕切っていて、それに不満をもった民衆が過激派「ドイツ赤軍となりテロを起こしまくっている混沌とした状況です。あと「壁」と言えば、トランプさんですね。ルカさんは『サスペリア』を今だから見てほしい映画と言ってます。

www.huffingtonpost.jp

バーダーとマインホフ

オープニングでラジオから「バーダー・マインホフがどやこや」と流れてくるんですが、バーダーさんマインホフさん「ドイツ赤軍」のリーダー的存在であり、政府は彼らの影響を恐れて、監獄に収監しています。んで彼らの解放を求めて「ドイツ赤軍」が飛行機をハイジャックして政府を脅迫します。これが「ルフトハンザ航空181便ハイジャック事件」という実際にあった事件なんですが、ルカぺリアの物語の裏で同時に起こっているという設定になってます。

blog.goo.ne.jp

この事件は失敗に終わるんですが、その後、バーダーとマインホフらをはじめとする「ドイツ赤軍」のリーダー組は監獄の中で集団自殺します。「ドイツ赤軍」はカルト集団みたいな位置づけであり、それに魔女楽団が形容されてます。

ヨーゼフ・クレンペラー

ヨーゼフ・クレンペラーさんは、この作品でキーパーソンになる心理療法師のお爺ちゃんです。これには元ネタがあって、ナチスを生き抜いたヴィクトール・クレンペラーという人が基になってます。で、ヨーゼフさんにはアンケという愛妻ジェシカ・ハーパーが演じてます)がいたんですが、その愛はナチスによって分断されてしまいます。彼はお爺さんになってからも壁の間を行き来して、かつて二人で住んでいた家に行って思い出にふけっています。また、彼が心理療法師として「舞踏団は人々に幻覚をみせている。」と魔女の存在を否定しているのも重要です。

www.amazon.co.jp

2.魔女伝承

サスペリア』で切っても切り離せないのが「魔女」です。ドイツの舞踏団にアメリカからやってきたスージーちゃんが、魔女の存在に気付くという物語(めちゃ適当)なんで当然ですね。

それで、これほんと偶然なんですけど、『マザー』とか『聖なる鹿殺し』とか見て聖書とギリシャ神話について学びたくなって秋学期に適当にとったキリスト教思想研究b」てゆう授業で魔女伝承について深く学べたんです!最初のガイダンスで魔女についてやるってなったとき何か縁を感じましたよ。

syllabus3.jm.kansai-u.ac.jp

魔女ってなに

はい、魔女ってゆうのはキリスト教が始まる前にあった様々な神さま信仰から生まれました。そこでは畑の豊作や健康を祈るために、畑の神様や健康の神様を祭って踊る儀式をしたり、病気を治すために漢方を作ったりしてました。しかし、キリスト教が始まると「イエス様だけが神様で他はダメ!」、「病気もイエス様が治す!」ってなって儀式とか漢方とか禁止されました。それでも森の奥とかで隠れて儀式とかをしてた人々を「魔女」とよんだんです。

とまあ「魔女」とキリスト教は深い関わりがあるんですが、主人公のスージーちゃんはキリスト教のなかでも特に厳格で質素な暮らしを重んじるアーミッシュメノナイト派の家の生まれです。けれどスージーちゃんは、ドイツの舞踏団のことばっかり考えて、勉学を軽んじたり、タンスに隠れてお股をまさぐったりする生粋の不良少女なんです。それでお母さんに「あんたを生んだことが私の罪」ってゆわれちゃうんです。ちなみに、スージーちゃんがドイツの駅で握りしめていたお金はメノナイト派の教会から盗んだものです。

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魔女裁判

あと、魔女裁判って一度は聞いたことあると思うんですけど、これは16世紀から17世紀に西洋で盛んに行われた迫害のことです。当時の人々は、村で不作が起こったり、身の回りに不幸が起こると、怪しい人を「魔女」と認定し、彼らをスケープゴートとして拷問して殺したんです。(魔女には男性も含まれます)これの延長線上にあるのがヒトラーさん率いるナチスユダヤ人大虐殺です。

www.y-history.net

魔女のサバト

サバトってゆうのは魔女たちの集会のことで、森の奥で全裸で踊って儀式したり、赤子の人肉をすり潰して漢方薬を作ったりします。もちろんこれはファンタジーですよ。『サスペリア』では音楽学校の中に魔女が大勢いるんですが、彼女たちは現代風にファミレスで集会してましたよw

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3.ダンス

サスペリア』では、新旧どちらも「ダンス」がキーになってます。ベルリンを拠点とする舞踏団(マルコス・ダンス・カンパニー)が舞台なので、当然ダンスが重要になります。んでダリオ版のダンスはクラシックバレエだったんですが、今回は「ノイエ・タンツ」(ニューダンス)というダンスが採用されています。これ日本では暗黒舞踏と言われるんですが、力強く、グロテスクな動きが特徴的です。本作ではダンスが殺しの凶器として使われるのも特徴です。

youtu.be

 

マリー・ウィグマンとピナ・バウシュ

ドイツで「ノイエ・タンツ」を始めたのが、マリー・ウィグマンという人なんですが、この人の舞踏団がマルコス・ダンス・カンパニーの元ネタです。また、鬼教官マダム・ブランの元ネタは、ドイツのモダンダンサー、ピナ・バウシュという人で、ティルダ・スウィントンが演じてるんですが、見た目まんまです。

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マリー・ウィグマンの代表作が『魔女のダンス』んでピナ・バウシュメデューサってゆうダンスが、劇中に披露される『民族』という演目の元ネタです。見てもらえばわかるんですが力強くて、グロテスクでバレエとはかけ離れた印象ですよね。


Mary Wigman, Hexentanz


Les Médusées // Trio féminin s'inspirant de la nature ensorceleuse des nymphes de Marly

ダンスとフェミニズム

ダリオ版は、クラシック・バレエでかよわい少女たちを表現しましたが、ルカ版では「暗黒舞踏」で力強い女性を表現してます。スージーちゃんを演じるダコタ・ジョンソンは、ムッチムチで健康的な体つきをしていてエロ…じゃなくて力強い印象です。また、今回の『サスペリア』ではほぼ女性しか出てきません。クレンペラー爺ちゃんもティルダ・スウィントンが演じてるので、これもう女性の映画なんです。

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出典:https://www.celebgossip.jp/wp-content/uploads/2019/01/Suspiria-1024x768.jpg
ナチスとダンス

ヒトラーは、絵画や肖像などの芸術作品は魔力的な力を持ってて統治の邪魔になるからとそれらを燃やしました。で、マリー・ウィグマンの舞踏団も「気持ち悪いダンスすな!」と潰されました。ナチスは魔女の存在に気づいてたんでしょうか…


www.hitlervspicasso-movie.com

はい、以上の点を抑えとけば、だいたい理解できます!多いわ!とツっこまれそうですが、『サスペリア』はめちゃややこしい映画なんで、その点でも評価が分かれたんだと思います。

サスペリア』感想

私はもう二回見たんですが、魔女伝承について学んでいたこともあり、初見でもなかなか楽しめました。それで興奮したんですが、この映画に『へレディタリー』っぽい演出とか設定があってニヤニヤが止まりませんでしたよ!ダンスによる殺しのシーンもドグシャアッって感じで楽しめましたね。

エンドロール後にある数秒のシーンが物議をかもしてるんですが、これはいろんな解釈ができます。複雑難解な物語構成もあって、見た後に語り合いたくなる映画なので、その点でも「決して一人では見ないでください。」です。

とまぁ、長々と書かせてもらいましたが、読んでくれてありがとうございます_(._.)_。ブログ書いてたらほんと時間が一瞬で過ぎますね…

最後に

これからは命を懸けるほど楽しみな映画はあんま無いですが、今年は『アベンジャーズ』やら『スターウォーズ』があるのでブログが流行りそうですね。それにしても2019年はディズニー祭りだワッショイワッショイですね。


theriver.jp

冬休みは、なんか映画作りたいですが、ネタが思いつきません。進行1年生組でなんか作りたいですねー。あと、ざっとんさんがやってたスタンプ作りとかもやってみたいです。

なにげにネトフリ上映会が一番楽しみです。あんな話題の映画がちっさい画面でしか見れないなんてほんとクソですよ。特にAAA級のネトフリ限定作品がタチ悪いですよね。新作が映画館で観れないなんて…『ROMA』くらい劇場でやってくれ!全然宣伝しないしこりゃダメです。モーグリ『ポーラー』『バードボックス』『バスターのバラード』…泣


media.netflix.com

ほんと最後ですが、なんか『ペニス映画闘争史』という講演会が元町映画館でやるらしく、行ってみたいですねー。ルカ版『サスペリア』もおちんちん映画だったんですよ。魔女のフック×おちんちんなシーンがあって笑いました。ちなみに、マイベストおちんちん映画はPTAのブギーナイツです。ありがとうございました。

 

『マザー・サスペリオルム万歳!』 

 

 

 

 

 

 

 

あけましておめでとうございます2019

新しい1年のスタートに合わせて、代替わりのご挨拶をさせていただこうと思い、ブログを更新いたしましたーーー!どうぞ最後までお付き合いください!

 

さて、我々関大映研、先月中旬より新体制での活動がスタートしております。

上映会の時期を変えてみたり、それを踏まえて年間予定を決めたり、と、少しずつではありますが、着実に動き出しております。何かを大きく変えたい!という野望はありませんが、関大映研の歴史に何かしらの爪痕を残すことができたらいいな、という思いを持って、1年間駆け抜けていくつもりです。今までの自由な雰囲気を受け継ぎつつも、映画を観たり作ったりできるシステムというか、体制というか、を作るのが目標。長いようで短い1年間、みんなで試行錯誤して、自分たちなりの正解にたどり着けたらなぁと思います!

 

と、申し遅れました、新部長の清武です。文学部映像文化専修の2回生です。東北の民です。好きな映画1位は『アバウト・タイム』…なのですが、昨年観た『ベティ・ブルー』や『君の名前で僕を呼んで』が良すぎたのでそろそろ順位が変わりそうです。俳優さんはCillian Murphy、音楽はKodalineが大好きです。趣味が合う人があまりいないので、「私もそれ好き!」って方は至急連絡ください。と、自己紹介はこれくらいにします。すいません。お陰様で部長として活動させていただくことになった、のではあるのですが、なんだかんだで不安しかありません。部員の皆さんはもちろん、先輩方、文化会の皆さんなどなど、たくさんの方にたくさん迷惑をかけると思いますが、一生懸命頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!

 

ということで、関大映研も無事に新年を迎えることが出来ました。2019年もどうぞよろしくお願いいたします。

そのうち部員の2018年ベスト映画が発表されると思いますので、お楽しみに。

なんかいい画像がなかったので、去年のベスト映画のワンシーンを。

 

では! 

 

画像ーhttps://culturebox.francetvinfo.fr/cinema/sorties/call-me-by-your-name-un-film-sur-l-eclosion-du-desir-adolescent-269707